こんにちは、Mihoです。
子どもや親御さんに役立つ英語教育ブログを発信しています。
今日は「普通」についてのお話です。
「英語が話せるようになりたいです。どうしたらいいですか?」
ある日、高校生が相談にやってきました。
そんな彼に「夏休みはどうだった?」と聞くと、答えは「普通っすね」。
「テストはどうだった?」と聞けば「普通っすね」。
ともすると「最近の若者は・・・」の一言ですましてしまいそうな場面です。
英語が話せるようになりたいと言われても、そもそも日本語で話したいことがなければ、英会話を上達させるのは至難の業です。
私たちの英語レッスンは、まずは日本語で、彼の意味する「普通」をひもとくところから始まりました。
「普通」を丁寧に聞いていってみると「ハリーポッターが好きで映画を見たこと。
いつかは原書で読んでみたいこと。
英語のテストは苦手だけど、会話は楽しいと思っていること」などが分かってきました。
「普通」といえば、思い出す話がもうひとつあります。
ある寒い冬の夜、温かいスープが飲みたいと思い、スープを作りました。
食卓に熱々のスープを出すと、いきなりスプーンにすくって「食べよう」としたカナダ人の夫は、口の中を思いきり、やけどしてしまいました。
そこで、夫と私との「普通」対決が勃発しました。
「普通、こんな熱いもの食べられるわけがないんだから、もっと冷ましてから出すでしょ?」と夫。
「冷めたらおいしくないと思って。普通、飲む前にふーふーしながら、熱いかどうか確かめるでしょ?」と私。
自分の「普通」は、相手の「普通」ではないんだなあと実感した瞬間です。
ちなみに、一般的に日本語では、スープを「飲む」といいますね。
英語では、スープは「食べる」感覚に近いような気がします。
夫の両親は、日本食が大好きですが、みそ汁を出した時に、お椀(わん)から飲むことには、慣れないようで、スプーンですくって口に運んでいました。
「ALWAYS ASK, NEVER ASSUME(決めつけないで、聞いてみること)」
以前、出席した会議で印象に残った言葉です。
これは、異文化間のコミュニーションにかかわらず、世代間のコミュニケーション、男女間のコミュニケーションにも使えそうです。
「普通だったら、こうだろう」と思ったときには、自分の「普通」をひもといて、伝えてみる。
また、相手はそうではないかもしれないと考えて相手の「普通」に耳を傾ける。
そして、その「普通」と「普通」の間で折り合いをつけていく。
その一つ一つのステップには新たな発見もあって、異なる文化や価値観、世代などとの出合いの面白さにつながっていくような気がします。
お子さんと接するときにも、我が子だからこそ、知っているつもりにならず、いろいろ聞いてみてあげてください。
「へえ、〇〇ちゃん、そんなことを考えていたんだね!」といった新たな発見があることと思います。
そこから、「普通」の一言では終わらないコミュニケーションも身についていくことでしょう。