こんにちは、Mihoです。
子どもや親御さんに役立つ英語教育ブログを発信しています。
英語学習者とネイティブ教師の会話を観察すると、以下のような会話になる傾向があることに気づきます。
教師:How are you?
生徒:I’m fine, thank you.
教師:How was your weekend?
生徒:It was good.
教師:What did you do?
生徒:I watched a movie.
教師:What did you watch?
生徒:I watched Spider-Man.
教師が質問をして、学習者がその質問に答える形式。
質問→答え→質問→答え→質問→答え→質問→答え→質問→答え
その繰り返しで会話が進んでいるのです。
英語で話してはいるものの、どこか一方通行。
コミュニケーションとしては、若干不自然です。
今回は、そうした一方通行の会話を、双方向の会話へと発展させるコツについてのお話です。
そのコツは、すばり、質問に答えた後に、”How about you?”(あなたはどうですか?)と聞き返すことです。
そうすることで、コミュニケーションが変化します。
私は、これを「How about you 効果」と呼んでいます。
その効果は、3つあります。
- 話し手&聞き手の役割交代
- 相手への興味関心を示す
- 相手が話しやすい環境を築く
1つ目は、一方が質問役、もう一方が回答役という役割が、このひと言で、交代されることです。
例えば、
A「ご出身はどこですか?」
B「静岡です」
A「静岡のどこですか?」
B「市内です」
そして沈黙…という場面。
ここでBさんが「市内です」と言った後に、”How about you?”と聞き返せば、Aさんは自分の出身地について話し、Bさんがそれに対して質問する側になります。
2つ目は、そのひと言で、相手に興味関心があるというメッセージが伝わります。
英語学習者が、英語で話している時には、「英語でどう表現したらいいんだろう?」「これで間違っていないかな?」と、意識が自分自身に向きがちになります。
そんな時には、少し視点を相手に向けて、相手のことも聞いてみましょう。
こちらは質問しているのに、相手から何も質問されないのでは、「この人は私の話には興味がないのだ」と感じることでしょう。
たとえ、それが英語レッスンの場であっても、先生も同じ人間です。
生徒さんに質問されたら、喜んで答えてくれる先生は多いでしょう。
3つ目は、相手に気持ちよく話してもらう環境を築くことに繋がります。
相手が質問してきたことは、実は、その相手が自分にも聞いてほしい事柄であることが多いからです。
A:「お腹空かない?」
B:「ううん、別に」
A:「・・・・」
Aさんが「お腹空かない?」とBさんに聞く時、実はそのAさん本人のお腹が空いていて、質問で暗に伝えている可能性があるのです。
A:「お腹空かない?」
B:「ううん、大丈夫。Aさんは?(How about you?)」
A:「朝ごはん食べてこなかったから、ちょっと空いたかも」
B:「じゃ、なんか食べよっか?」
A:「うん、ありがとう」
“How about you?”をきっかけに、話が展開していきます。
英会話と離れますが、コーチングの場面で、私はクライアントに「あなたが聞いてほしい質問は何ですか?」という質問することがあります。
すると「こんな質問を」と具体的に質問が返ってきます。
そのとおりに質問をすると「よくぞ聞いてくれました」とばかりにいろいろ話してくれます。
これは相手が話したいことを話す環境を創るための一つの手法です。
英会話でも相手に気持ちよく話してもらうために、”How about you?”が役に立ちます。
是非試して、相手の反応や会話の流れを観察してみて下さい。
会話がいつもとは少し違う形で発展していくことが実感できるかと思います。